元々PS Vitaで発売されたイースVIII がPS4にパワーアップして登場。
30年以上続くイースシリーズ。未だにゲーマーの間では高い評価を得ているが、私はイースシリーズは苦手である。
しょぼいグラフィックとモーション。それらが私から根こそぎプレイする気を奪っていくのだ。
そんな私が今回イースに挑戦しようと思ったのはインターネット上での異常なまでの評価の高さからである。
もし私がイースシリーズから離れている間に大変革を起きていて歴史に残る名作になっていたら・・・と想像しつつプレイを始めた。
ストーリーはアドル・クリスティンの冒険譚
イースシリーズを知っている人なら常識なのだが、イースシリーズは冒険家アドルの冒険の一部を切り取ったものである。アドルが主人公ではない作品はイース・オリジンのみだ。
しかし各シリーズのシナリオは完全に切り離されており、イースシリーズが初めてでもまったく問題ない。
今作ではアドルが乗り込んだ船が難破し、呪われた島・セイレン島に漂着するところから始まる。同じ船に乗り込んでいたメンバーもこの島に運良く漂着しているので当面の目標はそのメンバーと力をあわせてこの島から脱出することとなる。
外部から遮断された島が舞台というのは都合よく誰かが助けてくれることなく、登場人物のみで問題を解決していくことが必要だ。
本作ではサスペンスのような演出がでてきたりとこの設定をうまく活かそうとしている工夫は見えたのだがこの設定を本作がうまくストーリー展開に組み込む事ができていたかと言えばNOだ。
しばらくプレイしているとストーリーの流れがパターン化している事に気付き飽きてきてしまった。
島を探索→漂着者を見つける or 依頼されているものを見つける→拠点へ戻る
上記のサイクルを基本的にはこなしていくだけだ。探索中に事件が起こったりもするが、それでも問題を可決するために拠点へ帰り、問題を解決後はまた島の探索に向かうのだ。
単調なマップでの探索は苦痛
ストーリーがパターン化されて若干つまらなくても島の探索が楽しいものであればいいが、残念ながらそこまで凝ったマップではない。
プレイヤーの行く手を阻む方法として、ツタには手袋がなければ登れない。ブーツがなければ沼地の移動が困難。虫駆除剤がなければ道を塞いでいる不自然な虫の巣を取り除けない、漂着者が何人以上いないと岩を取り除けないなど、ストーリーを進めなければ進めない場所が多々あり、探索というよりは無理やり誘導されている感が否めない。
一本道であるならダークソウルシリーズや仁王などに見られる凝ったマップを用意して欲しいし、探索だというのであればホライゾンやゼルダくらい用意して欲しい。
わかってる。わかってるよ。そんなのは私のワガママだって。でもね、そんなすごいゲームをやってきてしまったから私のゲームに対する期待度というものがとても上がってしまったのだからしょうがない。
爽快な戦闘としょぼいモーション、そして最悪な効果音
アクションRPGのキモである戦闘だが、とても軽快に敵を撃破していくことができて爽快だ。
こちらの武器の特性に対して敵の弱点が用意されており、プレイヤーは敵の弱点に合わせて操作キャラクターを切り替えていくこととなる。
しかしキャラクターを切り替えると瞬時に操作していたキャラクターと入れ替わるため、違和感がすごい。文章だけだと中々伝えるのが難しいのだが、切り替え後のキャラクターがこちらに瞬間移動してくるイメージ。
テイルズも操作キャラクターの変更が戦闘中に可能だが、その場合、変更後のキャラクターの位置にプレイヤーが移動する。そのため、違和感がない。
シームレスな戦闘でその辺の処理が大変なのかもしれないが、こういった細かい違和感が没入感をさげる。
そして私が最も
と思ったのは効果音だ。
アドルがジャンプするたびに「バシュッ」みたいな効果音がなるのだが、私には耐えられないほどの違和感。その他の斬撃などの効果音も敵にヒットした音も全然気持ちよくない。
効果音がゲームにとっていかに重要かを思い知らされた。
軽快で気持ちいい操作感と細かい違和感の積み重ねによる気持ち悪さが入り混じっているのが私にとってのイース8の戦闘である。
イース8感想まとめ
よくも悪くもイース。
私はイースが苦手であり、そしてイースがイースであり続けたが故に私はイースが苦手なままである。
しかし、イースがイースであることを受け止める人が多数いて、その人達にとっては最高のゲームだと思う。
私は空の軌跡をプレイしてからファルコムのファンとなった。当時はそのグラッフィックや表現方法で私も満足していたが、他のゲーム会社のグラフィックが大きく進化していく中、ファルコムのゲームのグラフィックの進化は遅れているように見える。
ファルコムを評価する声の1つにこの会社はストーリーテーリングが得意な会社であり、グラフィックがしょぼくても気にすることないといったものがあるが、これは大きな間違いだ。
グラフィックは没入感をあげるための最も効果的な方法であり、ゲームとしてのクオリティを語る以上はそこは避けては通れない。
イースをしっかりとしたグラフィック、モーション、効果音で爽快な戦闘をプレイしたい。そうなって初めて名作と呼ぶに足る作品となるのではなかろうか。