ギリシャ神話をモチーフとして、脅威のグラッフィクとシンプルな戦闘システムで国内外から高い評価を得ているGOD OF WAR IIIの感想。
戦いの神であるクレイトスさんを操作し、バッタバッタと敵をなぎ倒す。そこに慈悲の心などない。
目玉を引っこ抜き、腸を引き裂き、首をねじ切る。
ここまで読んで
と思った人はこのゲームをプレイしないほうがいい。こういった残虐表現はいかにモンスター相手であろうとも心にくるものがある。
しかもねじ切った首をアイテムとして使うその様はまさに悪趣味の一言である。
ただ、こういった悪趣味な表現はこのゲームのキモではない。
美しいグラフィックと60fps固定のフレームレート
本作はPS3で発売されたゲームのリマスター版である。PS3版でも相当キレイなグラフィックであったが、そこからさらにブラッシュアップされたリマスター版のグラフィックは最近発売されたPS4タイトルと比較してもお世辞なしに遜色はない。
さらにリマスター版はフレームレートは60fps固定である。
PS3版との比較動画を見ると違いの大きさに驚く。
これらは圧巻の迫力とプレイヤーに与える事に成功している。
誰でもすぐに覚えられるシンプルな操作
基本的にはワラワラ湧いてくる敵に対して□ボタン(弱攻撃)と△ボタン(強攻撃)を連打する簡単なお仕事です。
一応○ボタンで掴むとかあるけど私はあまり使わなかった。
また、右スティックに関しては回避行動となっており、プレイヤーはカメラの操作をすることができない。
カメラワークはオートなため、探索する際なども強引なカメラワークによって誘導されていくこととなる。
そのため、あまりゲームに慣れていない人でも難易度をEASY(スパルタ人)にして適当にボタンを連打していればクリアは可能だ。
本当のビギナーであっても楽しめるゲームというのはすごくいい思う。
しかし、シンプルな操作は単調なつまらない操作と紙一重であり、残念な事によくゲームをプレイする人にとっては本作は後者である。
単調な操作の繰り返し
雑魚はボタン連打で一掃し、ボスは大きな予備動作を見つつ回避、弱点を見つけて攻撃。
どんなに強大なボスができてきても、ステージが変わってもやる事は一緒である。
と思ったそこのあなた。そうじゃない。
カメラ操作ができない事や使える技が少ない事でたぶん超絶テクニックをもったプレイヤーでない限り、大体一緒になっちゃいますよ。
それを助長するのがQTEだ。
ある程度ダメージが入るとQTEが発生し、タイミングよくボタンを押して攻撃してくこととなる。
最初の1回は新鮮でいいかもしれないが、同じ敵に対しては同じアクションが発生することとなり、何度も同じアクションを見ることとなる。一応押すボタンは変わるが正直飽きる。
つまらない謎解き要素
前述の単調さを打ち消すためか、本作では随所に謎解き要素が散りばめられている。
ゼルダのような楽しい謎解きであればいいが、これまた面倒くさいだけの謎解きである。
私が一番面食らったのは唐突に始まったくだらない音ゲーである。
こんなんこのゲームに誰も望んでない。QTEで何回もプレステコントローラーのボタンを見せられるのに加えて、ここまで世界観を無視してこの位置にボタンを配置したスタッフには心からバカとお伝えしたい。
その他にも炎で燃やす行く手を阻む草、光を照らすと消える壁など謎解きではなくただプレイヤーに無駄に1手間をかけさせる様は、まるで酢豚に入っているパイナップルの如く無駄である。
爽快感皆無の効果音
敵と戦っている爽快感っていうのは快適な操作性と効果音だと思っている。
素晴らしいグラッフィクとモーションから繰り出されるしょぼいヒット音は私のテンションを下げるのには十分であった。
鋭利な刃物で斬りつけているのに
「ポスッポスッ」
って効果音だからね。人を切ったことがないのでリアルな音はわからないのだけど、個人的には時代劇よろしく
「ブッシャー」
みたいな効果音が好き。その点はブラッドボーンは最高。斬ってる感がすごい。
アクションゲームでこれは致命的欠陥である。
まとめ
多くの素晴らしい点と多くの欠点をあわせ持ち、トータルではギリギリ楽しめる作品になっているという感想をもった。
たぶん技術的な部分を見ればこのゲームはすごいものなのだと思う。だからこそ世界中で評価されている。
しかし、それはあくまでPS3版が発売された当初のものであって、現在の進化した素晴らしいゲーム群と戦えるものではなくなった。
来年発売予定の新作ゴッド・オブ・ウォーにてどういった進化をみせてくれるのか、そういった楽しみを持つくらいにはこのゲームを楽しめた。
そして新作のトレーラーを見る限り、やはり凄まじいクオリティだ。
おまけ
本作が18禁である理由はグロいという理由だけではない。
エロスがある。ということは付け加えておこう。