Dragon’s Dogma DARK ARISEN(ドラゴンズドグマ ダークアリズン)のリマスター版がPS4で発売されたので早速プレイしてみました。
結論から言うと言えば私好みの素晴らしい作品だった。
PS3で発売された時も気にはなっていたのだけど、当時はなんか買う気になれなかった。かと言って今更PS3版はやりたくないし、オンラインにも興味がない。
そんな私にクリティカルヒット。あ~、探索楽しい。戦闘楽しい。成長要素楽しい。仲間めっちゃ話しかけてきて楽しい。
なによりも有名な伝説の怪物達が出てきた時の緊張感がたまらん。
オープンワールドアクションRPG
オープンワールドかつRPGといえばフォールアウトシリーズやエルダースクロールズ、そしてオープンワールドRPGの到達点とも名高いウィッチャー3を思い浮かべる人が多いと思う。
それらに共通しているのは洋ゲーであるということだ。
日本のゲーム制作者の技術力が海外のそれと比べて劣っているというよりは、日本のゲーム会社の資金力が海外とは比べ物にならないほど小さい。
そのため、コストのかかるオープンワールドは日本では1部の大企業を除いて制作することができない。
そういう背景があって2016年末、大企業であるスクエニがオープンワールドRPGであるFF15を完成させる事ができただろうし、今現在の国産オープンワールドにおいてはなんやかんや言っても最大規模のゲームである。
しかし、同じく日本を代表するゲーム会社の1つであるカプコンが今から遡ること5年前以上の2012年5月22日、オープンワールドRPGであるドラゴンズドグマを世に放った。
これがどれだけすごいことかお分かりだろうか。
ドラゴンズドグマの欠点
私がドラゴンズドグマは画期的なオープンワールドRPGだ!と声高く言っていても、納得できない人は多いだろう。
なぜならオープンワールドRPGとしての完成度はそれほど高くないのだ。
不便なファストトラベル
PS4版はファストトラベル用のアイテムが無制限で使用することができるが、PS3版はかなり貴重なアイテムのようであったようで目的を達成するためには多くの時間をマラソンに費やす事が必要だった。
しかもPS4版においてもファストトラベル用にマーキングするアイテムを入手する必要があり、一度その場所に到達していてもアイテムがなければ自動的にファストトラベル先としてマーキングされない。
この辺は洋ゲーオープンワールドと比べてそれほど広くない世界とも関係しているのかもしれない。
クエスト仕立てのストーリー
オープンワールドという形式上、強制イベントを差し込むことは自由度を下げる行為であり、なるべく避けようと工夫しているところが見られるが、ドラゴンズドグマはクエストでのストーリー進行の仕方が恐ろしく下手だ。
大量発生するクエストのほとんどが「うさぎを10匹狩ってこい」「草もってこい」などのお使いがほとんどであり、メインストーリーとの関連はほぼ0。
メインストーリーにおいても「街の人に話しを聞いて○○を探してこい」「モンスターに攻められているから手伝ってほしい」のような汎用性の高いクエストばかりだ。
つまり、演出が下手くそ。この辺りはFF15においてもクエストによるストーリー進行の下手くそさは共通するものがあり、クエストをうまく使ってストーリー進行を行ったウィッチャー3は驚異的な奇跡の作品とも言える。
ドラゴンズドグマの大まかな欠点は以上!
ファストラベルが適当に配置されていないのと、ストーリー上の演出が下手くそであることがこのゲームの欠点だ。
しかし冒頭で私はこのゲームを絶賛している。その理由をこれから紹介していく。
私がドラゴンズドグマにはまった理由
さて、ここからが私が本当に書きたかった事である。
私は今、このゲームを最高に楽しんでいる。
楽しい仲間(ポーン)との旅
世界中で大絶賛であるウィッチャー3は私にとって致命的な欠点が1つある。それはほとんどが一人旅ということだ。
個性豊かなキャラクター達は時にパーティーとして参加することもあるのだけど、基本的には主人公であるゲラルトさんだけが使える特殊能力で事件を解決していくちょっとした推理物である。
どんなに濃密な物語を生きようとゲームの中の出来事は思い出として残らなかった。
その点、ドラゴンズドグマはポーンという仲間を常に3人つれて旅をすることができる。
ポーンと言ってしまうとドラゴンズドグマ未経験者には理解できないかもしれないが、要はドラクエでいうルイーダの酒場的な場所がこのゲーム内に存在し、そこに集まっている人、すなわちポーンを選んでパーティーを組むことができると言えばピンと来るだろう。
また、フィールドにもポーンは存在し、路上で勧誘も可能だ。
その中の一人をプレイヤーが自由に育成でき、残りの二人は他のプレイヤーが育てたポーンをオンライン上からダウンロード、または勧誘して仲間にすることができる。
ダウンロードした(連れ出した)仲間は成長しないため、主人公とプレイヤーが作ったポーンのレベルが上ったら相対的にレベルの低くなったポーンを入れ替えていくこととなり、次の出会いに胸をわくわくさせられる。
ポーンを入れ替えると、「別れたポーンたちを元の主のところへ帰還させる」ということになり、お土産を持たせたり、評価したり、メッセージを送ることができ、まったく知らないプレイヤーとのコミニケーションが生まれる。
このうっすらと他のプレイヤーと繋がる感じはダークソウルを彷彿とさせるものがあり、がっつりとしたオンライン要素が苦手な人でも十分に楽しめるのが嬉しい。
そしてこの固定された1人の仲間と流動的な2人の仲間との旅はとても楽しく想像力を掻き立てる。
なぜならそれぞれに個性があり、彼らはよく喋る。
その辺はFF15を想像してもらうとわかりやすい。戦闘が終わったら「力の合わせた結果です」とか道が狭いところに来たら「道が狭いから気をつけましょう」とか「その行き先はこっちです」と案内してくれる事もある。
当然AIはそこまで頭はよくないので過度の期待はしないほうがいいが、それを差し引いても物語に没頭させられる1つの要素だ。
などとゲームの中の出来事は実際に起きた出来事のように私の中に残った。
この次はどんな仲間とどんな出来事を過ごすのだろうと冒険に今日も繰り出すのだ。
楽しい戦闘システム
ドラゴンズドグマはアクションである。
大型のモンスターに飛び乗る様はワンダの巨像の如く、部位破壊ができる様はモンハンの如く。世のアクションRPGと呼ばれるものと比べてかなりアクション性は高い。
RPG要素においてもかなりよくできている。レベルアップによって多くのスキルを取得し、それをセットして戦う。そしてジョブによってスキルや装備を変えて、状況に応じて作戦を練る。
炎の魔法を使って敵を延焼させつつ、弱点を攻撃するために巨大モンスターの背中を登っていく。魔法をかけられたり、体力が減ったりしたら仲間に助けを求め、仲間が倒れていたら助け出す。
それぞれの戦闘に自分なりのドラマが生まれるといえば大げさだろうか。
つまりアクションRPGとして、とても高いクオリティである。
エリアごとの設定がワクワクさせる
こんな事を言われてワクワクしない男はいるのだろうか。
その他にもゴブリンの縄張り、リザードマンの生息地、ドラゴンが現れる森など、言わば生態系というものを感じ取れる。
北に行けば寒さに強く炎に弱い敵がでてくるなど、こういった要素はオープンワールドにおいて必須である。
このゲームの欠点として移動時間が長い事をあげたが、移動中にいろんな事を感じ取れればその時間は楽しみに変わる。
道幅が狭い場所をサイクロプスが道を塞いでいたら?見通しの悪い森の上空からドラゴンが現れたら?
そういった不測の事態に陥ったときこそ興奮が生まれる。
ちなみに私にとって感動した場面というのは海の見える丘に墓標がポツンとたっていた時であった。
あまり共感できる人はいないかもしれないが、どのような背景がこの墓にあるのだろうと考えロマンに浸った。
PS4版ドラゴンズドグマ ダークアリズンの感想まとめ
このゲームは荒削りなゲームである。しかし多くの魅力と可能性が込められたゲームである。
5年以上前にオープンワールドアクションRPGに挑戦したこの作品は、時を経て私を虜にしている。
このゲームがもし○○であったなら、なんて言うと陳腐になってしまうので言葉にはしたくないが、このカプコンが行った挑戦をこの作品だけで終わらせるのは勿体無い。
現在はドラゴンズドグマ オンラインに注力しているようだが、ドラゴンズドグマ2の発表を願ってやまない。